THC 残留限度値の施行が延期へ。CBD議員連盟会議内容まとめ

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施行日変更について

2024年10月1日に予定されていた大麻由来医薬品およびTHC残留限度値の施行日は、2024年12月12日に変更されました。また、栽培に関する規制は従来通り2025年3月1日に施行されます。

THC残留基準値とその影響

THC残留基準値は以下の通りです:

  • 油脂・粉末:10㎎/㎏以下(=0.001%=10ppm)
  • 水溶液:0.1㎎/㎏以下(=0.00001%=0.1ppm)
  • その他の製品:1㎎/㎏以下(=0.0001%=1ppm)
  • CBDアイソレート原料:10ppmに決定

この基準値は、今後の研究や状況に応じて変更される可能性があります。しかし、特に「ゼロ基準」が厳しいという指摘があります。ゼロ基準とは、製品中にTHCが全く含まれていないと見なされる基準であり、今回の改正でその厳しさが大きな問題となっています。

ppmとは

ppmとは、濃度や割合を示す単位で、100万分の1を表しています。

たとえば、1 ppmのTHCが検出されたということは、1キログラムの製品中に 1ミリグラムの農薬が含まれているということを意味しています。

これは、距離で換算すると、1kmの中の1mmとなりますので極めて僅かな量ということがおわかりになるかと思います。

改正の影響と問題点

今回の改正により、以下の問題が生じる可能性があります

  • CBD製品の利用制限:現行のCBD商品の多くが新基準を満たさず、使用できなくなる可能性があります。特にブロードスペクトラムCBDは、従来の基準では200ppmまで許容されていましたが、新基準では1ppmに厳格化されるため、製品の入手が困難になり、コストが大幅に増加するでしょう。これにより、日本国内のCBD関連産業や研究が混乱し、社会的な悪影響が生じる懸念があります。
  • 検査コストの増大:THCを10ppmの超微量で検出するためには、従来のHPLC検査機器では不十分であり、LC-MS/MSという高額な検査機器の導入が必要となります。この機器の費用は3,000万円から8,000万円に達し、運用コストや専門人材の確保も含めると、1億円以上の投資が必要となる可能性があります。このようなコスト増大は、CBD製品の価格上昇を引き起こすことが予想されます。

分析機関の公開

THC残留基準値の分析を行う機関は、厚生労働省のウェブサイトで公開され、周知徹底が図られます。

THCの微量変換への対応

CBD製品からの微量なTHCへの変換に対応するため、業界団体と共同でガイドラインを策定する予定です。これには、製品の表示方法や保管方法が含まれます。

違反業者への処分

従来はTHCが検出された業者を厚生労働省のウェブサイトに公表していましたが、今後の施行後は適切な対応方法が検討されます。原則として、故意でない限り、麻薬譲渡罪に問われることはありませんが、THC上限値を超えた製品は速やかに回収・廃棄が求められます。

施行日延期と現在流通しているCBD製品について

施行日延期による対応

施行日が2024年12月12日に延期されたことで、それまでに現在流通しているCBD製品は使用または在庫セールとして販売することが推奨されます。12月以降は、基準を満たさない製品はすみやかに廃棄が求められます。

現在治療に使用している患者への対応

エピディオレックスの治験および承認プロセスが進行中です。また、THCが残留基準を超えるブロードバンドスペクトラム製品については、特定臨床研究を通じた対応が準備されています。
これにより、患者は医師の処方を通じて製品を入手できるようになります。しかし、10月以降、ブロードスペクトラムCBDの入手が困難になる可能性があります。

大麻草の栽培規制とパブリックコメント

栽培規制のパブリックコメント

栽培規制に関するパブリックコメントは、2024年9月20日および2024年9月27日に締め切られます。関係者は意見提出を行うことが推奨されます。

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この記事を書いた人

「CBDの素晴らしさを伝えたい」
・イギリス在住
・スイス発の企業所属
の日本人女性。ヨーロッパでは日常に溶け込むCBD製品を日本でも当たり前なものにするべく役立つ情報を発信していきます!

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